2007年10月17日

地獄くん/ムロタニ・ツネ象

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40年以上も昔の、昭和42年。私の保育園時代。「地獄くん」が掲載された光文社「少年」誌が何故か園に数冊あったので、そこで読みました。

凄くインパクトがあり、ずっと覚えていたので、'99年にマンガのホームページ(このブログの前身)を作った時に、真っ先に紹介しました。その時は検索しても「地獄くん」を取り上げたサイトは同年代の方の1件だけだったので、掲示板に書込みしてお友達になりました(笑)。

「地獄くん」のコミックスは、'99年前後に刊行された大田出版QJマンガ選書版の「完本・地獄くん」と、昭61('86)年の朝日ソノラマ・サンワイドコミックス版があります。前者には帯に「伝説のトラウマホラー」と謳い文句があり、後者サンワイド版は表紙の折り返しに「一風変わったブラック・ユーモア」と書かれています。各々その時代の空気が出てますね。掲載時だったなら、普通に「怪奇マンガ」なのでしょう。自分的にはこれが一番しっくりきます。

悪人に、額をピストルで撃ち抜かれた地獄くん顔アップのコマ。

白目の地獄くん。

べーっと舌を出した地獄くん。舌の上には今撃たれたばかりのピストルの弾が。

この3連コンボのコマ割りはインパクトあり過ぎて、数十年忘れようがありませんでした(笑)。
地獄くんの胸ぐらを引っつかんだ悪人の手に、地獄くんのドクロ型ボタンが噛み付いて、ガギギギギ…ガギギギギと指に食い込んでいくシーンも強烈だったなあ。他にも、ずっと覚えていたシーンがたくさんありました。

「地獄くん」の掲載年度は、少年マガジンで水木しげる「墓場の鬼太郎」連載が始まった年でもあるので、鬼太郎の向こうを張って、怪奇ものの流行り始めの時期だったのかも知れません(この翌年にはテレビ特撮で「怪奇大作戦」も始まりました)。

鬼太郎の目玉おやじと似たようなマスコット的存在(?)として、地獄くんの胸ポケットには、万年筆型生物の"万年とっつぁん"がいます。万年筆のインクのような液体治療薬で、どんな怪我でも治す、特殊な力を持っています。

第1話で、轢き逃げでバラバラにされた、少女の母親を地獄くんがプラモデルのように組み立て(笑)、それを万年とっつぁんが少女の涙をインクがわりに吸い取って、薬に変えて母親の遺体に注射し、蘇らせます。・・怪奇でショッキングな場面が記憶に残っていた「地獄くん」なのですが、久しぶりに読み返してみると、作者の優しさが表れているような、美しいシーンと思えましたね。

罪のない人たちには優しさも見せる地獄くんですが、悪を行った者に対しては、徹底的に、それこそ地獄の果てまで追い込む恐ろしい仕打ちを見せます。…といっても、地獄くんがその意思で悪人を追い込んでいく、という感じではなく、この世には人の力のおよばない"因果応報"というものがあり、悪は悪ゆえに地獄に堕ちていく(バチがあたる)運命なのであり、"地獄くん"という得体の知れない存在は"因果応報"のビジュアル的象徴として描かれているようでもあります。

悪い事をするとバチが当たるよ、という概念が通じない世の中だと感じた時など、幼少時に見た地獄くんが本当に現れたら良いななんて、たまに思ったりします。…悪い事をすると、地獄くんがくるよ(笑)。
posted by bonso at 00:09 | Comment(13) | ムロタニ・ツネ象
この記事へのコメント
地獄くんのフィギュア、どこか作ってくれないかなあ…。
写真撮りたいなあ(笑)。
Posted by bonso at 2007年10月17日 00:20
bonsoさん
「パビリオン地獄」の一件では本当にお世話になりました。

この「地獄くん」、リアルタイムでは全く知らなかったんですが、完本版の重いヤツを購入しました。

オドロオドロしい雰囲気の中、地獄くんの何とも言えないユル〜い感じが絶妙な味わいを醸し出しています。
Posted by kkrryy at 2007年10月17日 21:29
どうもどうも、kkrryyさん。こちらこそ「パビリオン地獄」を思い出せて楽しかったですよ。あれも読み返したいですね。

地獄くんのユルい感じ、…そうそう、あの辺が'80年代の「一風変わったブラックユーモア」という表現になったのでしょうか。
あの味わいのお陰で、「地獄くん」は子供心には決して恐いマンガではありませんでした。
寧ろわくわくさせられるような。
Posted by bonso at 2007年10月17日 23:19
こんばんは、bonsoさん、kkrryyさん。
横レス失礼します。

「地獄くん」も、私達の世代は避けては通れなかった(笑)マンガですね。
当時見た悪夢と、どこかで繋がっているような。
「伝説のトラウマ・ホラー」というキャッチは言い得て妙です。

「パビリオン疑獄」収録のサンコミックス、次回帰省の折に持ってきますね。
年内は無理かも…

まあ、それは置いといて、また飲みにいきましょう!
Posted by せっきー at 2007年10月18日 19:47
せっきーさん、毎度どうも〜。
そうそう、次はkkrryyさんもご一緒に、また一杯飲りましょう!

「パビリオン地獄」
えええ〜〜!サンワイドがあるならサンコミックス版もあるのではとは思ってましたが、
そっちにはちゃんとこれが収録されているんですか!いいなぁ〜!
もち論来年で構いませんので、ぜひ見せてくださ〜い!
Posted by bonso at 2007年10月18日 20:20
それにしても意外なことに、人気ありますね「地獄くん」。
…こんなに皆さん知ってるなんて思いませんでした(笑)。

ブログの不具合でコメントが反映されなかった方、何度かトライしてくれたのに
ごめんなさい。今サーバーに問い合わせてテスト中です。
Posted by bonso at 2007年10月18日 20:37
ちなみに「パビリオン地獄」はサンコミ版「人形地獄」に併載です。

そういえば、朝日ソノラマが9月いっぱいで営業を終了したそうです。
サンコミもそうですが、ソノシート付きの絵本やファンタスティックコレクション、月刊マンガ少年など、我々のような特撮・マンガオタクを生み出した張本人だけに(笑)胸にせまるものがあります。残念ですね。
Posted by せっきー at 2007年10月19日 09:29
なんとサンコミで「人形地獄」のタイトルがあったのですか。いいなぁ〜!!…と、古本マニア丸出しの叫び(笑)。

サンワイドには「虫地獄」も「人形地獄」も入ってますので、じゃあその時に「パビリオン地獄」だけオミットされたんですね。なんて事を。

朝日ソノラマの終焉は残念ですねえ。'70年代の終わり頃から、書店で自分好みの古いマンガを手に取ると、たいていサンコミックスでした。最初に買ったのは楳図かずお版「ウルトラマン」だったかな。水木しげる短編マンガもサンコミで何十冊も揃えましたよ。
Posted by bonso at 2007年10月19日 18:38
「パビリオン地獄」を読み返せるという一心でオークションで入手しましたよ、サンコミ版「人形地獄」。
結構ボロだったんですけど1,500円でした。

過去2回、bonsoさんにお誘いいただいたのに、飲み会参加できませんでしたね。次回こそは「ぼくらマガジン」背負って伺います。
Posted by kkrryy at 2007年10月19日 21:01
kkrryyさん、

はじめまして。せっきーと申します。

グッジョブ!(笑)
Posted by せっきー at 2007年10月19日 21:33
おお、あれからkkrryyさんも手に入れられてたんですか「パビリオン地獄」。いいなぁー!!
(それにしてもここ数日で「地獄」という言葉を数年分くらい使った気が・笑)。

'90年代初めからネットが一般化して、古本の値段が変わりましたね。サンコミは特に。ここ数年で復刊本が色々出てますが、これがまた高い、高い。

せっかく私もせっきーさんも関東に出てきていますので、皆さんでぜひ一杯飲りましょう。
私は来週中盤でひと段落ついて、28日は東京トイフェスティバルにオモチャを観にいくつもりです。
Posted by bonso at 2007年10月19日 21:41
あっ、せっきーさんとkkrryyさんは以前の掲示板ではまだ交流されてなかったんでしたっけ?

過去ログの未アップがまだ少しありますので、そろそろログ整理しておきましょう。
っと、それよりも、1年以上前にせっきーさんにお借りした「ぼくら」の画像もいい加減アップしときましょう。すみません(笑)。
Posted by bonso at 2007年10月19日 21:44
※保育園舎で私が読んだ「地獄くん」は少年サンデー掲載分だった事が分かりました。ネットでご教示下さった方、どうもありがとうございました。
Posted by bonso at 2007年11月10日 19:07
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