通称GMKゴジラ。意思や感情を一切否定した瞳のない白目、ガブリと噛みついたら滅茶苦茶痛そうな口。平成以降のゴジラでは再凶悪、凶暴な面構えの、恐怖のゴジラが日本を襲う。神話伝説から蘇り、ゴジラを迎え撃つ三聖獣、バラゴン、モスラ、キングギドラ。
GMKゴジラのひな形模型スチルを初めて見た時は、格好良さに惚れ惚れしました。つり目で背びれトゲトゲなどの、どちらかというとアニメ風アレンジが施された直近のゴジラデザインとは方向性の違う、動物的なライン。凶悪な面構えと、襲いかかる気満々な前傾姿勢がモロに好みなゴジラでした。

「今度のゴジラは、怖くて子供が泣き出すかも」との金子修介監督の談話を読んだ時は、…おっ、ゴジラに対する3怪獣の内、バラゴンあたりが序盤で激しく惨殺とかされてしまうんだろうか? と期待が高まりました。ホントにそうだったのでウケました(笑)。
「GMK大怪獣総攻撃」のハイライトは、中盤初めのバラゴン出現、ゴジラ登場から、箱根大涌谷の決戦でしょう。ビデオ鑑賞する時は、そこばっかり観てしまいます。最凶悪ゴジラ相手に特攻するバラゴンが、漢(おとこ)を見せてくれましたね。

怪獣映画で怪獣が怖い時は、子供ちゃんには泣いて欲しいと思いますね。何というか、怪獣にはそれだけのインパクトと威厳を持っていて欲しい。格好良い、怖い、でも何かちょっと可愛い、の三拍子が、怪獣には揃っていて欲しいです。
上映時の、掲示板での大きなお友達の話によると、ゴジラでは誰も泣かなかったのに、伊佐山老人(故・天本英世さん)の登場シーンで怖がって泣く子供ちゃんがいたとか…。負けた(笑)。

ゴジラは背びれが命。原爆による破壊の恐怖が表現されたというゴジラの背びれの、このアングルからのショットは外せませんね。
静岡焼津港に上陸、放射能熱線で清水市内を壊滅させたGMKゴジラ。キノコ雲が立ち上がり、遠くの小学校からそれを見た先生が「原爆…」と呟いたシーンが印象的でした。

ゴジラと対決する神話伝説の三聖獣は、当初バラゴン、バラン、アンギラスが予定されていたのが、直前で事情によりモスラとキングギドラに差換えとなったとか。ゴジラ人気も下火の時代で、メジャー怪獣の登場は仕方ないですが、バランとアンギラスで観たかったなあ。

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
平13(2001)東宝