昭29('54)年から50年に渡り、30作近くが制作されたゴジラ映画の中で、この"初代ゴジラ"の持つ威容、恐怖感には別格なものがありますね。

伝統民俗芸能の面の様に、見る者に視線を外すことを許さない緊張感を醸し出す、初代ゴジラの面立ち。後のゴジラには目立たなくなった、ピンと立った特長のある耳。

横を向いているのにこちらを見ているゴジラのギョロ目。怖いです。

海から現われたゴジラは、ただ淡々と街を破壊し、そして海に姿を消す。

ゴジラ上陸の、東京湾岸芝浦、大崎方面から、品川、新橋、銀座、国会議事堂、そして隅田川から東京湾へと至るルートは、B29による東京大空襲時の爆撃ルートの再現だったと、今回ネットで調べたたくさんのページで初めて知りました。
戦争体験の記憶が生々しかった時代の先輩達からの、悲しみと恐怖とが込められたメッセージだったんですね。

今回、上5枚の写真は映画に合わせてモノクロ変換しています。
「ゴジラ」東宝
昭29('54)